投資でお金は増えるの?

「老後のために投資をしている」「iDeCo(個人型確定拠出年金)で投資をはじめてみた」など、周りで投資を始めた人はいませんか? そのような声を聞いていると、自分もやってみようと思う一方で、「でも投資はお金が減るかもしれないから怖い」とも思ってしまいますよね。今回は、投資でお金が増えるのか、減ることはないのか。実際のデータを追ってみます。

投資でお金は増えるの?

 投資の種類の中でも、企業の株を買ったり売ったりする株式投資では、買った値段よりも売った時の値段が上がれば、利益を得ることができます(※1)。つまり、株式をより安く買って、より高く売れば、投資の甲斐があります。企業の株の値段のことを「株価」と言いますが、株価はどれくらい上がるのでしょうか。

 日本には、株式が買える企業が約3,680社あります(※2)。その中でも、日本を代表する225社の株価を平均して出す日経平均株価(以下、日経平均)と呼ばれる目安があります。この日経平均株価で計算される225社のうち、2017年末~2018年末の1年間で、株価の上昇率が最も高い上位10社を紹介します。

※1:利益を得るためには、配当金や株主優待などもあります。
※2:2019年11月現在

日経平均採用銘柄における年間騰落率上位10銘柄(2018年)

順位銘柄コード銘柄名2017年末
   終値(円)
2018年末
   終値(円)
上昇率
14506大日本住友製薬1,6743,495108.8%
28028ファミリーマート7,90013,91076.0%
39501東京電力HD44665346.4%
45901東洋製罐グループHD1,8102,52239.3%
59064ヤマトHD2,2683,02433.4%
64523エーザイ6,4168,50232.5%
72801キッコーマン4,5605,91029.6%
89008京王電鉄4,9556,39029.0%
94021日産化学4,4955,76028.1%
104911資生堂5,4466,89226.6%
出所:Factsetのデータを基に株式会社マネネが作成

 聞いたことのある企業、ありましたか。1位の大日本住友製薬の上昇率が108.8%なので、もしも、株式を2017年末に買って、2018年末に売っていれば、投資した金額が2倍以上に増えたことになります。株は100株単位で買うのが基本。「たら・れば」で言えば、16万7,400円で買って、34万9,500円で売れば、利益が18万2,100円にもなります。

投資初心者も安心!簡単に投資をする方法

 とは言っても、「値上がりする株をそんな簡単に見つけられない」のが現実。「新商品がヒットした」「売上が期待できる」などの情報で、株価は上がります。株価が上がる前に、値上がりする可能性が高い企業を探そうとすると、企業の業績分析などが必要となり、時間や労力がかかります。

「そんなの、面倒くさい」という人、一つ一つ企業を探さなくても投資できる便利な方法があります。それは、日経平均株価の225社の株式に一括投資できる「日経平均インデックスファンド」です。これは「投資信託」という投資方法でできます。

「でも、一括投資だと値上がりする株式もあれば、値下がりする株式もあるでしょ」という方、鋭いですね。では、ここでも「日経平均インデックス」の過去の値動きを見ていきます。

日経平均インデックスの年間騰落率(2014~2018年)

前年末の終値(円)当年末の終値(円)上昇率
201416,291.3117,450.777.1%
201517,450.7719,033.719.1%
201619,033.7119,114.370.4%
201719,114.3722,764.9419.1%
201822,764.9420,014.77-12.1%

 この5年間を1年ごとに追うと、日経平均株価は4回上がっています。2018年は▲12.1%と大きく下がりましたが、前年の2017年に大きく上がった反動と言うこともできます。ただ、「投資は必ず利益が出る」ものではなく、投資した資金が減ることもあります。

 この表をよく見てみましょう。毎年年初で日経平均インデックスに投資していれば、4勝1敗。トータルでは投資した金額は増えており、2013年末に投資して、2018年末に売却した場合、22.9%増えていたことになります。1万円が1万2,290円になったことになります。

なぜ株価は上がるの?

 それでは、なぜ株価は上がるか? ここではそこまで詳細には書きませんが、簡単にいえば、その企業の業績が上がっていけば、その企業の株式を買いたい人が増え、株価も上がっていきます。

 当然、その企業の業績が悪化していけば、既にその企業の株式を買っていた人達は売りますから、株価は下がっていきます。

 これが、企業よりも広い観点でいえば、国になる訳ですが、国の場合はGDP(国内総生産)などの国力がどれほど伸びるか、人口がどれぐらい増えるかなどで、その国の株式市場が上昇していくかどうかもポイントになっていきます。

米国の株式市場はもっと期待できる?

 日本の株式について説明しましたが、米国の株式は日本よりも上がっています。

 日経平均株価は、日本を代表する企業の平均株価を目安として計算されるものですが、米国にも同じような目安があります。米国を代表する500社の平均株価で計算されるS&P500種株価指数です。

 上のグラフは、このS&P500種株価指数の1978年から2019年までの非常に長い期間の株価の動きを示したものです。上下を繰り返しながらも右肩上がりに上昇していますね。ブラックマンデー、ITバブルの崩壊、リーマンショックなどの出来事で、何度も大きく株式市場が下落しましたが、それでも長い目で見れば株式市場はずっと上がっています。

 米国では、日本よりも株式投資をしている人の割合が高いことを知っていますか。このグラフを見るとその理由も分かる気がします。米国人にとっては、長期にわたって株式投資をすれば、最終的には利益が出ると信じることができるのかもしれません。

投資の種類はたくさんある

 実際に過去の投資データを見てきました。他にも、投資には株式以外にも種類があります。プロにおまかせできる「投資信託」や、為替取引の「FX(外国為替証拠金取引)」では、ドルやユーロなどの海外の通貨を買うことができたりします。

 それぞれの金融商品にはメリットとデメリットがありますので、自分に合った投資スタイルを見つけて、まずは一歩踏み出してはいかがでしょうか?